東京理科大学経営学部久喜キャンパス全面移転 跡地の売却を希望 

東京理科大学経営学部久喜キャンパス全面移転 跡地の売却を希望
昨日、市長・議長・副市長を同大学の中根理事長、他が訪ね全面移転の報告などをしたとう。議長から各議員に文書で連絡があった。これによると、同大学では7月9日の理事会で、経営学部久喜キャンパスの撤退に反対する市からの要望書と議会の決議を慎重に検討した結果、平成28年4月から久喜キャンパスを全面移転する決定をしたという。市長に宛てた文書では1年生のみを久喜キャンパスに残すことを努力したが、このような結論になり申し訳なく、お詫びするとしている。(「東京理科大学経営学部の久喜キャンパスからの全面移転について(報告)」平成26年7月16日、東理法総第58号)

一方、同大学からは同日に「東京理科大学 経営学部の久喜キャンパスの跡地利用について(提案)」という宛先と差出人が書かれていない文書も合わせて提出され、久喜市に移転後の土地利用の用途変更を迫っている。

同文書では、久喜市はこれまで同キャンパスの設立に際し、同大学に用地取得や校舎建築に30億円の補助と周辺整備などに10億円を支出しているが、同大学は土地建物への投資と教育研究費を累計で、久喜市の3倍の124億円を支出しているので、これまでの支出した経費を回収するために、この土地を他の企業に売却したいとしている。
ただ、この企業は、この場所に物流施設を建設したい意向があり、これまでの土地利用の用途が学校用地では法律上、建設することができず同大学が売却をすることができなので、用途変更の検討を要望している。

同文書では、同大学の提案通り同企業への売却ができずに、さらに平成28年4月以降も同大学が売却できないことは、市と同大学にとって最善の選択肢ではないとして、この件に関して、一方的に今年9月末までの回答を求めている。

※ 「東京理科大学 経営学部の久喜キャンパスの跡地利用について(提案)」では、大学を「法人」として記載

(ちょい一言)
宛先、差出人名がない「東京理科大学 経営学部の久喜キャンパスの跡地利用について(提案)」が市長・議長・副市長に大学経営側から示された。
同文書では、同大学の提案に沿い、土地の用途変更を認めれば、市のメリットがあることを強調し、期限までに回答を迫っている。同大学の提案に沿えば、雇用の創出(1500人から1800人)や固定資産税(年に約3億2000万円)、商業施設、公園の建設など久喜市にメリットがあると記載され、さらに5億円を寄付するという。
計算や法的根拠、状況の見通しを示さずに「メリット」を強調するのは納得のしようがない。また、同大学の売却予定価格や購入を希望する企業の情報も示されず、回答を求めるのは乱暴ではないかと思う。

ここまで一方的な「提案書」があるのだろうか。目を疑った。

昨日、報告があった2つの文書を読むと、市民や住民への配慮や気遣いなどは微塵も感じることはできない。同大学建設から現在まで関わったきた「人」への思いは、どこにあるのだろうか。

今は、昔と違い多くの企業が、消費者にもなるであろう国民・市民や生活の基盤である地域を大切にすることを考慮しながら企業活動を行っていると思う。また、企業の責任でもある。
「東京理科大学 経営学部の久喜キャンパスの跡地利用について(提案)」では、同大学は「本法人」として表現している。
法人が市民・住民・地域にどのような姿勢で取り組むのか。

法人としての姿勢に疑問を禁じえない。

Top