進む鉄道踏切事故対策 埼玉県危険踏切121、久喜市4(5踏切) 

 昨日、改正踏切道改良促進法が参議院で可決した。
 この法律は、今でも約1日に1件の踏切事故、約4日に1人が死亡する踏切事故が生じていることと、いわゆる開かずの踏切が全国で約600ヶ所あることを背景に、踏切道の改良を進め、安全の確保と交通の円滑化などを目的に改正された。

 主な改正点は、以下の通りとなる。(1.~5.は国土交通省の平成28年2月2日報道発表資料を基に加筆して作成)
1.改良すべき踏切道の指定期限を5年間に延長し、これまでは指定する場合、改良の方法などを鉄道事業者と道路管理者(市や県)の合意が必須だったものが、課題のある踏切は、合意ができていなくても国土交通大臣が指定し、期限を定めた対策を進める。
2.これまでの立体交差化、構造改良、保安設備の整備等に、当面の対策(カラー舗装等)や踏切周辺対策(駅周辺の駐輪場整備やバリアフリー化等による踏切横断交通量の低減)等を位置づけソフト・ハード両面からできる対策を総動員
3.地域の関係者と連携し、地域の実情に応じた踏切対策を検討するための協議会制度の創設
4.民間団体等の活動と連携した道路の安全確保、利便性向上を図るための道路協力団体制度の創設
5.危険な不法占用物件について道路管理者による迅速な除去を可能とする対策の強化

 国土交通省の資料では、平成32年度までに少なくとも全国で1000ヶ所の踏切を指定し踏切の事故減少と交通の円滑化を進めるとしており、平成28年4月1日埼玉新聞、朝刊1面によると、指定対象の踏切は、国が「安全性に問題がある」と従来から指定している1960ヶ所から選ぶ方針と伝えられている。

 1960ヶ所が掲載されている国土交通省が既に発表している「緊急対策踏み切りリスト」では、埼玉県内では121ヶ所が対策が必要な踏切として掲載されており、久喜市内では、第二岩槻踏切(久喜市久喜東6丁目、市道区奇異242号線、JR)、第三岩槻踏切(久喜市南1丁目、市道久喜1号線、JR)、旧幸手街道踏切(久喜市久喜北1丁目、市道久喜7040号線、JR)、幸手加須街道踏切(久喜市東大輪、市道鷲宮1013号線、JR)、伊勢崎線第173号踏切(久喜市南1丁目、市道久喜1号線、東武鉄道(第三岩槻踏切と同所))が掲載されている。

 
(ちょい一言)
 国土交通省の資料では、開かずの踏切の事故は、それ以外の踏切の4倍の事故が発生しているという。踏切内では、自動車と自転車、歩行者で混雑する所も多く、ハラハラすることも少なくない。
 リストに掲載されている久喜市内の踏切でもそうだ。
 私の自宅と事務所は、リストに掲載されている第三岩槻踏切を挟んで、自宅は東に徒歩3分、事務所は西に徒歩30秒の所にある。遮断機や自動車、通行者の音も良く聞こえる。かなり長時間、遮断機が閉まっていることや遮断機の上げ下げが頻繁な時間帯もあり、横断中の悲鳴や怒号を聞いたこともある。私自身も危険な体験を何度もしており、市民からも同様の声が多く寄せられていた。

 私が市議の当時、15年以上前だが、市が鉄道事業者に安全対策を要望すべきと市議会で取り上げたことがる。
 その後、市がかけあい、段階的に踏切内の歩道部分拡幅とグリーンベルト化、市道部分の改良がされた。また、既に予定されていた踏切を通らずに市内の東西を結ぶ県道が立体交差化されたこともあり、交通量も減って安全性は向上したと思う。

 ただ、変わらず、遮断機の上げ下げのタイミングが悪いことも多い。遮断機が開ききって3秒も待たずに、すぐに閉まることもあり、踏切内では横断中の車や自転車が慌てていることも珍しくない。普通、遮断機が上がっている動作中に横断を始めるので、踏切内に進入した自動車や歩行者が横断中に、すぐに遮断機が下がってくることがある。
 今後の踏切事故減少対策に期待をするが、鉄道事業者には、これととともに機器の改良も進めてもらいたい。

 

Top