東京理科大学経営学部 久喜キャンパス一部移転に 

 

東京理科大学経営学部 久喜キャンパス一部移転に
 6月14日(木)の議会全員協議会で、市長は議員に対し、久喜市清久地区にある東京理科大学久喜キャンパスの一部が移転することを明らかにした。
市長の説明によると、昨年7月29日に東京理科大学の常務理事などが市役所に来訪し、経営学部久喜キャンパスを東京都神楽坂キャンパスに全面移転したいとの申し入れがあったという。この時の大学の理由としては、経営学部の応募人数が極端に減少しており、その対応として就職に有利な都心に移し、経営学部の魅力を高める必要があると考えたという。また、神楽坂キャンパスの他学部が平成25年4月に東京都金町の葛飾キャンパスに移転することから、神楽坂キャンパスを活用するためだという。
一方、これに対して市は、久喜市が誘致した経緯や補助金を30億円支出していることから、移転に反対の立場を伝え、同年10月20、11月25日、今年の1月17日、3月19日に大学と協議を行ったという。そして、久喜市からの専門学校や附属高校の新設の提案や2年生までを残す案などを提案したが、結果として大学が今年6月6日の常務理事会において、平成28年4月から定員を拡大した上で1年生だけを久喜キャンパスに残して2年生以上を神楽坂キャンパスに移転する方針を決定、同月13日の理事会でこの方針が決定されたという。

今後、久喜キャンパスの経営学部は、定員を240名から300名に増員し、360名を募集、2年以上を神楽坂キャンパスに移転することが正式に決定し、状況によって定員拡大や学科新設も検討するという。

東京理科大学経営学部久喜キャンパス誘致に関わる経緯
平成元年
3月 東京理科大学教授2名が、市内を視察後に久喜市への進出について当時の市長に協力を依頼する。
平成2年
5月 地権者への説明会を開始、市が東京理科大学を訪問し久喜市への進出を要請する。
7月 久喜市大学誘致推進協議会を設立
平成3年
3月 「東京理科大学新学部設置に伴う土地取得費及び校舎建設費等に対する補助金に関する協定書」を締結する。
平成4年
12月 文部省から経営学部設置の認可が下りる。
平成5年
4月 東京理科大学経営学部が開校する。

東京理科大学経営学部 久喜キャンパス一部移転に関わる経緯
平成23年
7月29日 東京理科大学の常務理事などが市役所を来訪、市長に全面移転の意思を申し入れ。市長はこれに反対の意を伝える。
10月20日 市と東京理科大学との協議
11月25日 市と東京理科大学との協議
平成24年
1月17日 市と東京理科大学との協議 市から大学に、教養課程1.2年生を残す案や定員増、附属高校などの代替案の検討を要望。
3月19日 市と東京理科大学との協議 大学から市の意向に沿う形の検討に入り、今後検討するとの回答がある。
6月6日  東京理科大学常務理事会 平成28年4月から定員を拡大し、2年生以上を神楽坂キャンパスに移転する方針が示される。
6月7日  市と東京理科大学の協議  東京理科大学の6日の常務理事会の報告が市に対してある。
6月8日  7日の報告を受けて、市副市長が東京理科大学常務理事に市の基本的な考えをまとめた文書を提出。
6月11日 市長が東京理科大学の担当常務理事に電話により、8日に提出した文書と同様の申し入れを行う。
6月13日 東京理科大学から理事会で、6月6日の方針が正式に決定したとの連絡が入る。
6月14日 市長が議会全員協議会で議員に報告をする。

< ちょい一言 >

今回の移転は、2つの視点から当然に容認できることではない。
1つ目は、これまで久喜市が投入した公費の額や協力を考えると、そう簡単に大学の経営方針からなる判断に納得がいくものではないということである。市民感情としても納得はできまい。仮に補助金を出した大学の施設を今度は久喜市が買収して使用するとなれば、市民の理解をはるかに超える判断である。
2つ目は、活性化など今後のまちづくりに与える影響である。市内に大学を有しその学生が住み、活動の拠点としていてことは、久喜市の活性化の一助になっていたことは間違いない。それが、今後は大きく減少する。
正直、これまでの大学と市の関係が良好であるとの話しはあまり聞こえてこなかった。民間レベルの交流や一部の地域との交流はあったが、久喜市と東京理科大学経営学部を結びつけ、広く市民や世間一般に広く周知されることなどほとんどなかったのではないか。東京理科大学経営学部久喜キャンパスが移転、撤退するという噂は数年前からあり、市民からもその声が聞かれていた。大学の責任はもちろんだが、久喜市としてこれまでの協力や交流がどの程度のもので、どのように評価されるべきものなのか検証する必要がある。
そうしなければ、補助金30億円が市の発展に寄与したかどうかの清算と今後、同様の補助金と誘致に関わる市の政策的な判断をどのように行うべきかの指標が再考できない。議会も同じだ。
市は、東京理科大学に対して、学科の新設と定員拡大、今後の久喜キャンパスの将来展望の開示を要望している。今回の東京理科大学の決定は、遺憾であり怒りさえ覚えるが、今後は、逆にこれを好機に変えるくらいのエネルギーをもって取り組むことが必要である。

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