サリアビルの監査請求が棄却 

 

サリアビルの監査請求 棄却
 久喜市監査委員会は18日、市内団体から閉鎖となっている久喜駅西口再開発ビルであるサリアビルの再開について、市長の責任などについて求められていた監査請求を却下した。

団体への通知によるとサリアビルが市の所有物でないので監査請求の対象ではないとし、さらにサリアビルの管理会社に出資していることについては違法、不当ではないとしている。また、当該監査請求では、仮にサリアビルに食品スーパーが出店した場合を想定して課税される市税の変換を求めているが、実体のない店舗に対して税を賦課、徴収することをあり得ず、市が具体的な財産上の損害を被っていないことから請求の対象とはならないとしている。

このことを受けて当該団体では、争いは極力さけたいものの、街のあるべき姿を取り戻すために住民訴訟を準備しているという。

(ちょい一言)
監査委員会は第一に「地方自治法第242条第1項」で定めた住民監査請求にはなじまないから請求を却下したとあっさりと述べているが、これでいいのだろうか。
監査委員会は例え管理だけ市がしていても、このビルが市の所有物ではないので「市所有の財産管理を怠っているとは言えない。」ともっともらしいことを述べている。
しかしながらこの請求人は、業務監査の視点からも市の不作為による市全体への影響について市長の責任に疑義を抱いて監査請求をしている。より丁寧な説明が求められる。

また、今回の監査請求却下の通知で気になるのは、一方ではサリアビルは市の所有物ではないとしながらも、「たとえ市が管理している場合であっても」と市が管理していることを示唆している点だ。
市は直接的な関与を避けるためにわざわざ第3セクターを設立し、そこに出資するかたちをとって再開発ビルの一部を管理し、関与してきたはずだ。それなのに、直接的管理もしていたとなれば、当然、市が直接的管理をしないことによって得られた(流出せずに済んだ)職務上の労力やそれを裏付ける経費が市にはあったはずで、市の利益が損なわれているとも言える。

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