6月29日、同月2、3日に県内を襲った農産物への降雹被害について、農業生産者に復旧のための支援として約8億75,000万円の補正予算(第3号)が埼玉県議会に提案された。7月7日の本会議で可決する見通し。
6月2、3日には県北部、東部の15市7町の農業生産物に大きな被害が出ていた。被害は久喜市特産の梨をはじめぶどう、小麦、とうもろこしの他、ビニールハウスなどの生産施設も被害にあっていた。
被害総額は、県の試算では38億4,867万円にのぼったため、県は6月17日に県条例に基づく「特別災害」の指定を6月17日に行い、具体的な支援策を検討していた。
補正予算で支援が決定したのは、「病害虫の防除用農薬、樹勢回復用肥料と次期策の種苗等の購入費の補助」「ビニールハウスなどの修繕費用の補助」他に農業関係の融資枠拡大や利子補給などを行う。補助は県と市が2分の1ずつ行う。
県条例の基準に満たない被害を受けた農業生産者に対しても種苗等の購入や生産施設の復旧に必要な資金について、融資枠を拡大するととおに利子補給を行う。
これにより、被害にあった農産物の回復や農産物生産者の次期作への支援が進む。
(写真:令和4年6月14日 大野知事に6月2日、3日の降雹による農産物への被害について救済を求める要望書を提出する無所属県民会議(右:知事に説明する石川、中央、岡代表))
<ちょい一言>
「特別災害」の指定から比較的早い予算化だった。今回の支援が全てではないが被害にあった農業生産者の救済の一助になる。
後継者不足から、災害をきっかけに農業を廃業することを考える農産物生産者も少なからずいる。生産意欲が後退することなく、農産物生産者の背中を後押しし「仮に災害があっても埼玉県は農業生産者を守る」「農業を守る」という姿勢を示すことが、持続的な県農業の発展につながると思う。