今日開会の埼玉県議会環境農林委員会で、補正予算(第6号)案の農林部に係る部分が審査され、共産党を除く賛成多数で原案が可決したにも係らず自民党県議団から補正予算の一部執行停止を求める附帯決議が提案され、自民党・公明党の賛成で可決となった。
附帯決議は、同補正予算に計上された埼玉県久喜市にある県農業研究所で行う「埼玉園芸生産力強化支援」として行う約9億9000万円の執行停止を求めている。
同委員会では、3月7日にも委員会を開催しこの部分について審査をしていた。
県からは、トマト生産者に対する生産性向上のための技術提供などを行う予定であることや、昨年2月の県議会附帯決議を踏まえて事業を進めている報告がされていたが、これに反発した。県からは仮に事業を停止したり、事業の変更をする場合には国への補助金返還や事業をともに行うイオンアグリ創造から損害賠償請求がある懸念も示されたが、附帯決議の提案委員は「想定していない」とした。
また、既に県の補助事業は14年間、県の土地貸借は9年の予定で事業をスタートさせる計画だったが、同委員から「5年で結果が出ると思っている。」と考えが示され、5年に事業期間を大幅に短縮しても他への影響はないとの見方を表明した。
同委員会では、無所属県民会議と民主党無所属の会から附帯決議に対する質疑や反対討論もあり、”実際には生産農家に対する技術提供はできる段階から進めていること” ”生産者からは技術提供を期待する声もあること” ”5年で実証できるというが、5年でできる根拠が示せないのに、執行停止を求めるのは無責任” ”執行停止をすると事業者や他への影響も考えられるが、想定しないで執行停止を求めるのは無責任” ”国からの補助事業なので計画変更や執行停止などで進捗に影響があれば国への補助金返還やイオンアグリ創造からの損害賠償請求が起こされ、それを県民の血税から支払わなければならない懸念があるなどの指摘があったが、自民党・公明党の賛成多数で附帯決議が可決した。
現場では、既に既存施設の解体は終了し、実証研究施設を建設する段階となっていた。