水防事務組合 不適正な会計処理発覚 改善を |
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昨日、久喜市が構成団体となって利根川流域の水防事務を行う「利根川栗橋流域水防事務組合」の支出に不適正な会計処理があったことが明らかになった。
「利根川流域水防事務組合(以下「水防組合」と表記)」は、利根川に接する久喜市・幸手市・杉戸町・春日部市・茨城県五霞町の3市2町で、それぞれが負担金を出し合って地方自治法上の一部事務組合として設置・運営されている。 管理者は、久喜市が旧栗橋町と合併した経過を踏まえて久喜市長が就任し事務局は久喜市役所にある。 問題が発覚したのは、平成22年度の決算。 不適切な処理が行われたのは、昨年の11月1日から2日に行われた水防事務組合議員の議員研修視察に係る支出で、実際には議員等には、昼食代などを含む日当が1人あたり1日で2600円、2日間で合計5200円ほど支出されていた。研修視察に参加することで、一人あたり5200円の日当を支給しながら、これとは別に公費で昼食代2200円程度を負担していたことになる。(平成23年10月19日付の本記載内容は、「1人あたり2600円」と表記していましたが、分かりやすいよう翌20日付けで「2日間で合計5200円」と加筆するとともに関連文言を訂正しました。)総額では、4万円程度と見られる。 10月18日にこの決算を審査した水防組合議会では、この件についての質疑(私(石川)が質疑)があったが、当初は問題はない旨の答弁がされ、採決の結果、全員をもって認定(可決)となっていた。しかし、議会終了後に担当職員が答弁の誤りを認め、問題の不適切な会計処理が発覚した。 水防事務組合では、これまでも同様の会計処理をしていたと見られ、これから内部で検討し平成22年度決算内容への対処と今後の会計処理の検討を行うとしている。 |
(ちょい一言)
考えられない感覚だ。日当を支給しながら、別枠で昼食代も公費で支出していた。
問題になった視察には、組合議員18人が参加していた。私を含め久喜市選出の議員など6人は、他の公務で不参加だった。参加をしていれば、会計報告を見てこの時点でおかしいことに気がついていたと思う。
費用弁償や日当が、昼食なども含めた諸雑費の定額払いであることは、公務員や関係者であれば常識的に知っているはずだ。それなのに、この他に昼食代を公費負担していれば、二重払いと言われても仕方あるまい。
実際、かなり以前から久喜市議会でも日当が出る視察などでは、昼食代はここから支出するか自費負担していた。他の公費から別に支出などしていない。多くの地方議会もこのように処理していると思われる。今回は、しかも議員だけでなく、他に参加した管理者や消防団長などへも同様に日当を支給しながら昼食代を公費負担していた。
16から18年ほど前に、全国の自治体で食糧費や旅費の不透明な支出が発覚して以降、議員や職員の飲食への公費負担のあり方は改善が進んできていた。渉外が伴うなど職務執行上必要な場合など例外を除いて、研修時の昼食代などは費用弁償や日当から支払い、他の公費からは負担しないのが常識的であろう。
また、すべきでない支出であるにも係らず、本来計上すべき「議会費」の中に会計処理をせず、「水防費」で処理をしたのも問題である。会計の基本中の基本は、「正確で分かりやすく」である。「議会研修視察」の事業における支出の一部(昼食代)だけが切り取られ、水防団の緒活動に係る支出である「水防費」にまわされているのは、不正確である上に分かりにくい。
この日配布された資料を見ると、まるで水防団長4人だけの昼食代等として約9万円を使ったように記載されている。
議会での、この件に関する私の質疑には、問題がないという旨の答弁があった。しかし、資料との整合性が見られないことから議会閉会後にさらに事実確認をすると、答弁の誤りと今回の会計処理が明らかになった。
今回の会計処理は、これまでの慣習であったのかも知れない。合併を機会に、問題点が抽出されたと考え、今回の対処と今後の対応が市民に納得の行くかたちで進められるべきである。
合併してすでに1年半が経過している。いつまでも「合併を機会に・・・」と言い続けられるものではない。水防事務組合、他の部署にも共通することであるが「慣習」の「再点検」を進めていただきたい。