久喜市議会基本条例を策定 議会機能を独自に強化 |
---|
昨日開催した久喜市議会で、久喜市議会の制度や議会・委員会・議員などの役割と責任を定める「久喜市議会基本条例」が賛成多数で可決した。 条例は、公布の日から執行され、市長などが議員へ反問する反問権の行使や議員同士の議論の機会などについては、会議規則の改正や新たに実施要綱などの策定が必要なことから、平成21年9月11日に施行する。 策定までの経過は、昨年から今年まで、議会基本条例検討委員会(9名、猪股委員長)に設置した条例文案を起草する小委員会(4名、石川が小委員長)を11回開催し、ここでの案を全11回の議会基本条例検討委員会で検討・協議し、パブリックコメントも加えて、本案の提案とした。 県内では、4例目の策定で、条文は全国最多の32条までと内容の濃いものとなっている。 |
(ちょい一言)
この条例案は、これまで議会活性化について協議してきたものを土台として、全会派から1名ないし3名の議員が参加して検討を行ってきたものだ。
だから、最終的には全会派の議員が提案者として名を連ねて共同提案とした。
しかし、予想外の展開だったが、議場では鈴木松蔵議員、ただ1人が討論として反対意見述べ、採決の際にも反対した。
討論で、この議員が述べた意見は、私としては承服できないものだ。
議場で、この議員は、”条例化しても議会機能強化とはならない”といいつつも”議会の機能だけを強化させて、市長を不利にするのはおかしい”という旨を発言したり、
「地方議会が何か」「地方議会と首長の構造はどのように規定されているのか」「地方議会にどのような役割があるのか」「地方議会の現状はどうなのか」「久喜市議会でこれまで何が課題となっていて、話し合いをしてきたのか」などを無視したような発言だった。
しかも、議会に関る地方自治法の改正前の条文を引き合いに出し、この条例案を批判、自論を展開したが、せめて改正した今の条文をもとに自論を煮詰めて、論点を整理して欲しかった。
言うまでもなく、現在の地方議会は、戦後、新憲法制定の過程に設置の意図を見て、新憲法において長と議会を対等なものとして、直接住民に責任を負う形で規定した。
しかし、現実には新憲法と同時に発行した地方自治法の度重なる法改正などによって、二元代表制の本質である機関対立主義が弱められ、強首長制という現在の長と議会の関係となっていた。
そして、この強首長制と弱議会の関係に対する議会団体や学会、さらには世論の批判もあって、最近、ようやく議会機能を強化させ、憲法の意図に近づける方向性が探られてきている。
こうした動きは、政府関係として「地方分権改革推進委員会」や「地方制度調査会」、議会団体として「全国都道府県議会議長会」「全国市議会議長会」「全国町村議長会」などの各種報告、提言などに見られる。そして、今日では、各々の地域の議会自らが問題意識をもって制度改正、補完を試みたのが、この「議会基本条例」や各種の議会活性化案の実現だ。
久喜市議会議会基本条例は、第31条において、改選後ではあるが議員に議会基本条例に関する研修を義務付けている。議員全員が、この条例の主旨と内容を理解する必要がある。