「広報くき」5月号掲載 学校2学期制のアンケート調査結果は 間違い 7月号で訂正することに |
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昨日開催の久喜市議会一般質問で、久喜市教育委員会が進める「学校2学期制に関するアンケート」の集計結果が、大きく違った形で「広報くき」で伝えられていたことが分かった。 久喜市教育委員会は、7月号でこの掲載内容を訂正し、謝罪する。 久喜市教育委員会では、市内小中学校の学期制について、通常の夏休みや冬休みを境にした、3学期制から2学期制にしている。 今回、間違いが発覚したのは、この2学期制を導入した直後の平成16年度に、児童・生徒・保護者に実施したアンケートの集計結果と平成20年度について児童・生徒・保護者に実施したアンケートの集計結果をグラフ化して比較したもので、このグラフからは、平成16年度から20年度にかけて、2学期制を実施したことにより、学習への取り組み状況や成績評価が理解しやすくなることなどの根拠として用いられていた。 しかし、この調査を集計した報告書の元データを比較した所、1つを選択する質問に対して、平成16年度には実質的に3つの選択肢から回答を選ぶ質問と平成20年度には、実質的に2つの回答から選択する質問を混同して集計・グラフで比較していたことが分かった。 議会では、教育長がこの誤りを全面的に認め、「市民の皆様に心より謝罪いたします。」とした上で、「広報くき」7月号において5月号を訂正することを述べた。また、今後については、チェック体制を万全にし、責任の明確化と統計などに対する職員の研修や意識の向上に努めるとした。 |
(ちょい一言)
この問題を一般質問で取り上げたのは、私(石川)だ。
かねてから、学校や教育委員会、市が行うアンケートや統計では、疑問があるものが多かったので、6月議会で全体的に取り上げようと思っていた矢先に発覚したことだ。
アンケートや統計は、その結果を行政計画や事業実施、設計の基礎的資料や根拠に使うものなので、その精度はできるだけ高くなければならない。
行政が実施する場合には、コンサルタント会社が実施するものと市、行政委員会や学校が独自に実施するものと2種がある。
私見では、アンケート、統計の設計、実施、集計については、前者の場合にはほとんどが間違いないように見ているが、後者の場合には、質問文や回答文の内容、集計結果などに落ち度が多い。
そして、アンケート、統計の集計結果を”公表”する段階となると、前者の方法で得たものも後者の方法で得たものも、両者ともかなりの問題がある。
今回は、これらについて改善や職員の研修実施、専門家の意見を乞うべきとの質問が主眼だった。
しかし、質問の際に例示的に扱う為に調査をした、今回の「広報くき」5月号に掲載した教育委員会の調査結果は、上記の記事の通り、最低最悪だったことが分かった。
教育委員会としても猛省し、今後の改善に努め、記事の訂正をすることにはなったが、統計の扱いは、場合によっては実施者と読み手(市民)との信頼関係を崩しかねないものであることから、行政はより慎重に、丁寧に扱う必要がある。その意味では、今回の調査結果を「広報くき」用に作成した担当というよりも、行政内のチェック体制という組織の問題だと私は認識している。
また、市のアンケート・統計の公表の仕方についても一部で落ち度がある事から、市も今後は研修や責任、チェック体制の確立と明確化、専門的な知見を一部活用することを約束した。職員の中にも経済統計や社会調査などを学んだ経験がある方はいると思う。このような人材を活用、育成するのも一つの方法だ。
今後は、建設的に問題の再発とならない為の努力を求める。