久喜市自然保全条例が成立 |
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3月19日の久喜市議会に市長から提案されていた、久喜市の自然環境を守る「久喜市自然環境の保全に関する条例」が賛成多数で可決された。
条例では、市は、自然環境保全地区を地権者の同意を得て指定したり、市内で希少となった動植物やそれらの生息に影響を与える動植物を市が指定し、保全や駆除などを行うことを定めている。 この条例の議決を行った市議会では、「今やる必要はない」などの理由で3人が反対したが、多数をもって可決した。 条例は平成21年4月1日から施行となる。 |
(ちょい一言)
この条例案は、久喜市内で少しずつ失われている「自然環境」の保全について、市や事業者、市民の役割を定めたものだ。
人間がつくりあげた今日の環境や様々な要因によって、地球規模で生態系が乱され、野生動植物の種が減少しているが、人間が、地球の自然環境を基盤として育まれていることを考えれば、自ずと自然環境を守ることは人間に課せられた使命だ。
久喜市でも、ついにこの使命である自然環境の保全を積極的に進めるために、今回、市長から議会に条例案が提案され成立した。
生物が絶滅する順番は、先ずは市など地域で固体が減少し、次に広い範囲でも減少、次第に減少する地域が拡大し、やがて絶滅種に発展することから、この条例のように市の区域での絶滅危惧種を定め、保全を推進する施策は有効だ。
そしてさらに、指定した自然環境保全地域での行為を届出制にしたことは、行政の環境問題に対する消極的関与と感じるところもあるかも知れないが、地権者などの権利の制限との関係ではやむを得ないところだろう。
今回の自然環境の保護の為の条例制定を初めて議会で取り上げたのが、平成13年の12月定例議会。この時、私は市内で生息する絶滅危惧種とそれらが生息できる環境こそが、人間にとっても良好な環境であることから、条例制定を求めた。
そして既に今、この時には生息していた種の一部が絶滅し、環境も失った。環境保全は待ったなしの状況だ。
私も平成13年以来、数次にわたり本会議や委員会で条例制定を求めていたが、環境保全を進めている久喜市は、これまで条例制定を前提として、市内動植物の状況を把握する為に、捕捉調査を行い、データを積み上げて準備を進めてきていた。
そして、このデータの積み上げと共に、担当職員や市民が努力を積み重ねて作り上げた条例案がこの「久喜市自然環境の保全に関する条例」だ。
良好な自然環境を将来世代の子ども達に引き継ぐのは、私達、大人の責任。
この条例を契機に、さらに市内の自然環境の保全が推進できるものと大きく期待している。